2012年04月17日

田中康雄氏講演会

田中康雄氏.JPG4月14日(土)釧路市生涯学習センターにおいて、児童精神科医の田中康雄氏を招いて講演会が開催されました。主催は釧根地区ADHD・LD・PDD懇話会(む〜みん谷懇話会)。

む〜みん谷懇話会とは、今から11年前に発足した「発達障害への理解を深め、交流・情報交換を目的とする、親・教育・療育・医療・福祉等の関係者からなる会」です。

第1部は田中氏の講演『発達障害〜医療と教育の架け橋として〜』。

田中氏は北大での研究生活をこの3月に終了し、来月からは札幌で「こころとそだちのクリニック むすびめ」を開業することとなり、その開業前の忙しい時間をぬっての来釧でした。

開業前のお疲れからか体調を崩されていたにもかかわらず、これまでの臨床と研究の両方の経験から得られた「医療と教育の架け橋」としてのご自分の思いを2時間に渡り熱心に話してくださり、会場を埋めた300人の聴衆は、私も含め、彼の一言一言に耳を傾けました。

私が印象に残ったのは「発達障害があるのか?と医者をせめるけれども、あるっちゃあるし、ないっちゃない。う〜ん、よし、あることにしよう!と言ってすすめていくしかないこともある」とおっしゃったことです。そうですよね。分からないことは多いけれど、どのように考えたら子どもが生き易いか?辛くないのか?大事なのは、そのことですものね。

又、お話の最後に「小学校の先生は、一番大変な幼児期を支えてくれている幼稚園・保育園の先生方を誉めてほしい。中学校の先生は小学校の先生を。高校の先生は中学の先生を誉めてほしい。支援者も誉められることで成長し、また頑張ることができる。」と話してくださり、会場に多くいらした幼児期の関係者たちは胸が熱くなったのではないかと思いました。

それと「あっぱれ先生」ですね!

子どもが泣いて別れを悲しんだ、そういう先生が一人でも増えることを願わずにはいられませんでした。

じゃんけん.JPG第2部は「これからの特別支援教育の話をしよう」と題して、北海道教育大学釧路校の二宮信一先生との対談が行われました。

対談はぶっつけ本番。口火を切るのはじゃんけんで勝った方、とだけ打ち合わせしていたとか。

これが、歴史に残るお二人のじゃんけん風景。

勝ったのは康雄先生で、彼から始まり、医療と教育の役割の違い、医療に依存せず地方の学校がどのように特別支援教育を展開していったらいいのか?特別支援教育のこれまでの功罪・・・などなどに田中氏2.JPGついて熱いトークが繰り広げられました。

康雄先生は、医療の役割や特性から、特別支援教育に於いては、黒子に徹するのがいいと思うと。

しかし、どのように学校体制が整っても、手からこぼれる砂のように、いろんな子ども達が不安や不適応を起こし苦しむことは、おそらくなくなることはないと思われ、ご自身のクリニックでは、年齢を超えて子どもと丁寧に関わっていくことを目指しているとも話されていました。

 

二宮信一氏.JPG二宮先生は、特別支援教育がスタートして多くの子ども達が救われた「功」の部分を認めつつ、安易にそれに頼り過ぎ、通常学級からそれらの子どもが排除されつつある現状の杞憂についてと、全ての通常学級で特別でない支援が普通に行われる授業作りが必要なのではないかと、熱くお話くださいました。

よ〜く聞いていると、違ったことを語っているようで、でもどっちが上でも下でもない、同じく大切で、根っこでは同じことなんだよ、ということを、改めて教えてくださる、お二人の対談でした。

私としては10年前、「堀口さん、子ども一人一人の問題も難しいんだけれど、もしかしたら彼らの困難さを作りだしているのは学校や社会かもしれないんだ。」と言って臨床を離れていった康雄先生自身の言葉を思い出し、そして今再び臨床に戻り、一人一人の子ども(成人も)と向き合おうとしていることを思うと、今回の講演会は、もしかしたら康雄先生の分岐点のまさにその時、歴史的瞬間だったのかもしれないと思ったのでした。

そして、私たちは、その証人になったのかもしれませんね。

田中康雄先生、本当〜にお忙しい中、約束を果たしてくださってありがとうございました。

他の講演会は、ほとんど断っているとお聞きしました。

新しいクリニックは5月8日オープンとのこと。

どうぞお身体大切に、時には休むことも考えて、ゆっくり走ってくださいませ。

そしてこれからも、多くの子ども達や青年たちを、どうぞよろしくお願いいたします。

この度は、本当にありがとうございました。(深謝)

 

 

 

2012年04月05日

LIGHT IT UP BLUE IN JAPAN 2012〜第2弾〜

4月5日午後3時.JPG4月2日の「世界自閉症啓発デー」から3日目の今日。

「発達障害啓発週間」期間でもあり、子どもから成人の方まで、みんなで集まって大撮影会を行いました。

それぞれが青い洋服を身に付けたり、風船を持ったり。

夜のライトアップの写真を額に入れて持って来て下さった方もいます。

それじゃぁ、みんな、並んで並んでぇ〜〜

「はい、ピース!」

そしたらなんと、昨日まで嵐のような天候だったのに・・・

空までが雲ひとつないスカイブルーになってしまいました♪

みなさん、来年も、もちろんやっちゃいましょうねぇ〜

イェイ!!

4月5日全員集合!.JPG

2012年04月02日

世界自閉症啓発デー LIGHT IT UP BLUE IN JAPAN 2012

4月2日は国連総会が定めた「世界自閉症啓発デー」です。

全世界に自閉症や発達障害を理解してもらおうと、各地でイベントが開催されます。

堀口クリニック,light it up blue.JPGその一つに、LIGHT IT UP BLUE という、建物をブルーにライトアップするイベントがありますが、私たちも今年、この催しに参加いたしました。

今日の日没から「発達障害啓発週間」の終わる4月8日まで、堀口クリニックをブルーにライトアップしています。

 また、このイベントに賛同してくれた、シロアムこどもクリニックさんも、今夜から明日の朝まで、ブルーのライトアップをしてくださっています。

 

 

シロアム玄関.JPG写真は、シロアムこどもクリニックの玄関です。

世界自閉症啓発デーのポスターも掲示してくださっています。

ポスターには次のような文章が書かれています。

『僕は一見フツウに見える。

だけど・・・

「こっちを見て」って言われ目を見ると、聞く事に集中できないんだ。

「考えてごらん」って言われても

「考える」ってどうしたらいいか分からないんだ。

ことば絵じてんで調べたけど、

黒目が上をむいて指が口の近くにあるだけだった。

返事をしないのは無視してるんじゃないよ。

色々な音が一度に耳の中に入ってしまうからどれもはっきり聞こえないんだ。

大きな音がする時もどこで鳴っているのか分からないからとても恐いんだ。

耳をふさぐんだけど、がまんできなくて時々大きな声を出したり

走り出して周りの人を驚かせてしまうんだ。

僕が同じ事を何度も繰り返して言うのは、自分を落ち着かせるためなんだ。

止められるととても不安になってしまうんだ。

本当は、みんなと同じにしたいと思っているんだ。

上手くできたらいいんだけど・・・・分かってもらえたらいいのにな。』

シロアム.JPGシロアムさんでは、ブルーのセロハンを窓ガラスに張って、西日があたると、待合室が青くなる素敵な演出も行ってくれています。

夜には、クリニックの中の灯りが、その窓ガラスを青く光らせてくれます。

 

卯月先生、ありがとうございました!

 

 

 

堀口クリニック前景1.JPG4月5日(木)3時から、堀口クリニック前にて撮影会も行います。

ブルーの物を身に付けたり、ブルーの小物を持ったりして、みんな集まってね!

何も持ってない人にはブルーの風船があたるので、遠慮なくいらしてください。

その様子は、またこのブログで紹介します。

 

 

 

LIGHT IT UP BLUE IN JAPAN 2012 の詳しい情報は、NPO法人あっとオーティズムのHPで。

ライトイットアップブルーの進捗状況はhttp://happy-autism.com/でもご覧になれます。

みんなの周りを、ブルーにライトアップしちゃいましょう!! 

 

 

 

 

 

 

2012年02月19日

第15回チャイルドヘルス懇話会

皆様、長いことご無沙汰いたしておりましたが、ようやく冬眠から目覚めました。

また今年も元気な釧路の様子を少しでもお伝えしたいと思いますので、どうぞよろしくお付き合い下さいませ。

第15回CH懇話会.JPGさて、今年最初の記事は、2月15日に開催された第15回チャイルドヘルス懇話会の報告です。

昨年は東北大震災の経験から、チャイルドヘルス懇話会でも「子どもたちの命を守る」をテーマに、震災時の避難状況報告や災害時対策アンケートの実施、被災地訪問報告などを行いましたが、今回は『子どもたちの生きる力を育む〜少年鑑別所で出会った子ども達からのメッセージ〜』と題し、釧路少年鑑別所の菅藤健一所長をお招きし、ご講演をいただきました。

菅藤所長は、なんと福島県出身で東北大卒!

冒頭に被災地のことを話されてから、釧路少年鑑別所の実態やIMG_5918.JPG現代の触法少年の現状、問題点などを丁寧にお話くださいました。又、いつものように各グループで話し合いをした後の質問にも、時に笑顔を交えながら誠実に答えてくださいました。

「人間は自分という存在を認めてほしい、受け入れてほしいという欲求を持っています。非行とは自分の欲求がうまく満足されないことで起こる、彼らの訴えなのです。」「過保護すぎる親も確かに問題はあるけれども、子どもに関心がいっているだけましだと言えます。放任はやはりいけません。関心がないのが、やはり一番いけないと思います。」と話されたのが、心に残りました。

 

 

卯月&須貝先生.JPG所長の後は、我等が卯月Dr&須貝Drのミニレクチャー『冬の感染症対策』。須貝先生は嘔吐と下痢について。卯月先生はインフルエンザと新しい予防接種についてお話しくださいました。

シロアムこどもクリニックのロビーいっぱいの参加者は、みな熱心に話に耳を傾け、あっと言う間の2時間でした。

あっ、それから講演前の恒例の手遊びは、今回はどんぐり保育園の保育士さん2名が行ってくださいました。

ありがとうございました!

福島出身の私としては、当然菅藤所長と即意気投合!

だって所長は福島高校卒だけれど、奥様はなんと安積女子出身だって言うんですもの!!(明神もと子先生以来の安積おみなだわ!)。早速メルアドを交換してしまいました。

菅藤所長、チャイルドヘルス懇話会の皆様、本当にありがとうございました。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

ブーケ.JPG最後に、「マザーグース便り」をお読みの方々に・・・

我が家の次女千栄がお姉ちゃんの結婚式に送ったカラードレス用のブーケを紹介して、今回の報告を終りたいと思います。

(「どんなブーケだったの?」と言う、お問い合わせが多いので。それから、結婚式では本当に司会者の方が、何度も「妹さんがブーケを作りました!」と紹介してくれたこともお伝えしておきます。)

 

みなさん、今年もどうぞ、よろしくお願いいたします♪

 

2011年10月10日

む〜みん谷懇話会&すなふきんくらぶ10周年記念シンポジウム

10月9日〜10日、大阪教育大学名誉教授で大阪医科大学LDセンター顧問の竹田契一先生をお招きし、釧根地区ADHD・LD・PDD懇話会(む〜みん谷懇話会)と、北海道教育大学釧路校学生ボランティア「すなふきんくらぶ」の10周年を記念して、二つのシンポジウムが開催されました。

スナフキン学生.JPG1日目は教育大学で、学生ボランティア養成講座『発達障害のある子どもへのボランティア活動の意義〜教員養成系大学における取り組み〜』です。

第1部のトップバッターは、現在活動している学生の立場から、すなふきんくらぶの現会長、荻原さんの報告でした。彼は、仲間にアンケート調査を行い、今の活動が自分たちにとってどのような意味があるのかを率直な言葉で語ってくれました。中でも「子どもの顔を頭に描きながら講義を聴くようになり、実際に子どもと触れ合うことで、教科書からだけでは分かり得ない子どもの実態を理解できるようになった」と話されたのが印象に残りました。

スナフキン先生.JPG2番目に登壇したのは、学生時代にすなふきんくらぶのメンバーだった二人の現職教員。

教職4年目で普通学級担任の鷹架先生は、学生の頃に関わった子ども達のお陰で、今支援が必要な子に対しての理解の助けになっていること。支援が必要な子どもだけではなく、どの子にも特性があるのだから、どの子も認められるような学級経営こそが基本なんだと思うようになったこと。でも、実際に行うことの難しさも語ってくださいました。もう一人は特別支援学級で自閉症のお子さんを担任している太田先生。太田先生はなかなか子どもとのコミュニケーションがうまくいかない日々が続いた後、子どもが自分の手をぎゅっと握ってくれた時の喜びは忘れられないと話してくださいました。

スナフキン当事者.JPGお二人とも、学生時代に子どもから学んだことが、今とても有意義だったと分かると話しておられました。

最後は、小学生の頃からすなふきんくらぶに通っている現在高校2年生のKR君。

彼は、ヤンチャだった自分をいつも受け入れてくれたすなふきんくらぶの学生さんたちは、本当に先生と言うより友達だった。毎週土曜日がすごく楽しみだった。「すなふきんくらぶがなかったら、今の自分はなかったと言っても過言ではない!」と力強く言ってくれたのが強く心に残りました。

嵐山スナフキン.JPG第2部では竹田契一先生の講座をお聴きし、終了後は恒例の嵐山での打ち上げ。

そこでも、すなふきんくらぶのメンバーはお店の仕事を手伝いながら、竹田先生や他の参加者の話を真剣に聴いていました。

これが、竹田先生が話を始めた途端、直立不動で真剣に話を聞きだしたメンバーの顔です。

すなふきんくらぶのみんな!

かっこよかったです!!

 

嵐山竹田ご夫妻.JPGお話された竹田先生と一緒に嵐山に参加してくださった奥様もニコニコで、楽しい嵐山の夜は更けていきました。

素敵なすなふきんくらぶの皆さん!

なぜか二宮ゼミの方は一人もおらず、それぞれが理科や社会科専攻などさまざまだったことが、驚きと同時に素晴らしいことだと思いました。

釧路の未来は明るいぞ!と、そう思えた有意義な一日でした。

 

2日目はあいぱ〜るに会場を移し、む〜みん谷懇話会10周年記念シンポジウムを行いました。

ム〜ミン10周年その1.JPGまず最初は根室支部「ノンノン懇話会」の服部先生がその10年のあゆみについて語ってくれました。最初は120km離れた釧路まで通っていたがやはり遠く、自分たちで集まりを持とうと考えたこと。当初は支援者が中心となり活動していたが途中から保護者主体の活動に移行していったこと。そして今は、自分たちのすべきこと、出来ることを見直しながら、地域の資源になることを模索していることなどを話してくれました。

2番目は中標津支部「どらえもんクラブ」の村上先生が、む〜みん谷懇話会設立の2年後「やっぱり釧路に通うのも大変だし、何より自分たちの地域にもほしいよね」と会を立ち上げたこと。

ム〜ミン10周年その2.JPGのび太君やジャイアンには「どらえもん」が必要。「どらえもんが地域にいっぱいいれば、子どもの笑顔がいっぱい増える」、そんな思いからネーミングしたこと。さらには「俺だって!」のオヤジ部会、男の美学を追及する「メンズクラブ」、かわいい子には旅をさせよの「ジュニアクラブ」の活動と、会員のお子さんの活躍が紹介された新聞記事「どらえもん自慢(どらバカ)」を紹介してくださり、会場から大きな拍手を浴びていました。

3番目はむ〜みん谷懇話会の川辺さんが、設立当初は教育委員会に行っても相手にもされなかったのが、数年後には共催で講演会を開くまでに行政とも深く繋がるようになったいきさつなどを、当時の裏話も含めて楽しく語ってくれました。

後半は竹田先生が「親と教師と医療職が対等な関係で会を維持し、さらには行政まで巻き込み活動している地域は北海道以外にはみられない」と話してくださり、二宮先生は「その奇跡を実現させたのは、この地域に依存する対象がなかったこと。自分たちで作り上げ、連携する必要があったこと。そして、今後もこのような連携を維持するためには『認知的徒弟制』による哲学の伝承が必要であること」などを話して締めくくってくださいました。

私はこの2日間を通し、このような「振り返り」が、学生にとっても教師にとっても、また親としても、次世代に対する『振る舞いの敷き写し』になるのだと強く感じました。

最後に竹田先生はいつも来年のお約束をして帰られます。

む〜みん谷懇話会の11年目の竹田先生の講演会は、根室と中標津でやろう!

そして今度は釧路の私たちが中標津までの90kmを、根室までの120kmを追っかけよう!!

そう約束して、10周年記念シンポジウムは幕を閉じました。

実は、なぜ「来年は中標津で講演会を!」と思い立ったかというと、竹田先生がシンポジウムの前に中標津町を訪れ、すっかりその雄大な自然に心を奪われていたからなのです。

その横田牧場での写真を紹介して、今回の『道東の自然を満喫〜隠れた名所巡りの旅〜』は完とさせていただきます。(犬のルルは「ルル、キツネ、キツネ!」と言うと前を向くんですよ!

横田牧場.JPG

皆さん、これからも、む〜みんを、ノンノンを、そしてどらえもんを、どうぞよろしくお願いいたします。

竹田契一先生、奥様、ありがとうございました!

また来年もお待ちしています!!

これからも釧路を、どうぞよろしくお願いいたします!!